きみの電流体

幕末にわかの長州びいき、明治は大久保さんと桂さん、ツイステはオクタ、鬼滅は黒死牟様と獪岳と地獄に堕ちました

映画『グラントリノ』感想後半

モン族の偉い人?の名誉な占いを受けるジイサン

ボロクソ言われております

「あなたの人生はつまらなく、食べ物は味気ない」

「あなたは過去に過ちを犯しそれを引きずっている」

 

と、突如咳き込み吐血するジイサン。

モン族の人たちに親しみを覚えてるみたい。

地下は若者たちの空間。

和に入れないタオ。

モーションをかけてくる女の子にも声をかけれない。

ジイサンが説教しにくる。お前はトロ助だ!

女の子に声もかけれないなんて、

「おれは良いやつじゃないかも知れんが、どこの誰より素敵な最高の女と結婚した」

頑固親父の妻への愛情は、チラリズムが最適ですね。。

 

モン族の家族に胃袋を掴まれたジイサンは嫌がってた貢物も受け入れちゃう。

そんで、伝統あるモン族はジイサンにタオを働かせてくれるよう頼む。

謝罪の証だそう。断れば侮辱になると。

なんで急におれが悪者になるんだ?!としぶしぶ受け入れるジイサン

お家の手伝いは要らない。でもタオも何かさせてもらないと困る。

そこでジイサンは自分の修理工を手伝わせる。

ちょっと良い感じになる二人。タオも何か意義あることをする喜びを感じる。

しかし最終日、吐血するジイサン。

 

検査結果が悪かったみたいで。

クソ長男に電話をかける。つれない長男。

クソ長男はいちおう息子の義務を果たそうというポーズを見せるので嫌いじゃない。

いやそうに出た電話を朗らかに切った後も、父親の異変に気づいたみたい。

 

個人的に修理を頼みにきたタオ、たくさんの工具に驚く。

「どの工具にもちゃんと役目があるからだ。どの道具もちゃんと役に立つ」

修理工になりたそうなタオ。心なしか嬉しそうなジイサン。

そしてアジアンヤンキーの不穏な影がちらつく……。

 

タオとタオねーちゃんの父親は彼らにとって良い父親ではなかったみたい。

伝統にうるさい。「俺もだぞ?」「あなたはアメリカ人よ」

 

「タバコやめた方がいいよ!…ところでそのライターのエンブレムはなに?昔入ってたボーイスカウト?」

「第一騎兵師団だ。51年から持ってる」

ライター、で手首のスナップをきかせながらそれを顔の斜め下に持ってきて視線をやり、エンブレム、でクルッとそれを正面に向ける。

なにそのおしゃれな仕草は?怒るよ

 

仕事をもらうために、またモーションかけてた彼女とうまくいかせるために、タオの男を上げようとするジイサン。

マーティンとのやりとりを見本に見せます。

自分でもおしゃれなやりとりって思ってたんだ…可愛いな

 

「仕事を紹介するってことは、お前を保証するんだ」

マーティンとのやりとりのおかげで面接に受かるタオ。

ジイサンの古い友達である面接相手もジイサンと軽口を叩き合います。

が、グラントリノのことになると気を悪くするジイサン。

奥さんとグラントリノが大好きなジイサン……。

そういえば最近神父くんが出ませんね。

 

スパイダー久しぶりの参上!

工具を壊して根性焼きをカマす。ひでーやつ!

それを知ったジイサンは静かに怒る。

ジイサンはふとっちょが一人になったところを見計らってボコる!

クールだけど実はアツい。定番だけどカッコいい

 

アジアンヤンキーが復讐にやってきました。

タオの家に激しい銃撃を加え、ねーちゃんは連れ去られてしまいます。

異国語のざわめきが非日常のパニックを際立たせます。

ねーちゃん推しだからつらいわ。

血だらけで放心状態のねーちゃんが帰ってくる。

「こんな…こんなこんな、まさかこんな」

「俺はなんて馬鹿なやつなんだ」

 

神父くん登場!じつは、わたしは神父担でした。エ?

「私があなたの立場なら、きっとあなたと同じ気持ちです。タオも復讐したいでしょうね…。あなたと一緒に連中を殺しに行きたいでしょう」

「あなたほど親しくはないが、私も頭に来ていますコワルスキーさん」

「…ビール飲むか?」

「いただきます」

 

激しい怒りとクールな態度の二人が暗い部屋の中でビールを飲みます。

神父くんマジで好きなんだけど…いくら善意の押し付けがウザい、気に食わない青二才でも

親族に嫌がられ孤独な中で気にかけてくれる存在、

ずっとジイサンにとって特別な存在だったんじゃないかしら…

 

「めちゃくちゃだ。フェアじゃない」

「フェアなものなんてないさ…」

「で、どうします?コワルスキーさん」

「ウォルトと呼べ」

 

「ウォルト」「コワルスキーと呼べ」

という作中で繰り返されてきたやりとり。

からのこれよ!たいぎゃーたまらんばい(エセ方言すみません)

 

「わからん…だが考える。あの連中は許さない」

 

いつものように芝をかるジイサン。

お風呂でタバコをふかす。サービスショット?

わんちゃんが嫌そう。

「あぁ、わかってる。勘弁してくれ、うちの中で吸うのは初めてだろ?…ゆっくり楽しませてくれ」

 

いとしのマーティンのもとで髪を切る。

「髭も剃れるか?」おどろくマーティン。

スーツをあつらえる。カッコいい。

 

そして神父くんのもとへ。

「まさか、一体なにをしたんだ」

「なにもしてないよ」

「なにをするつもりなんだ」

「懺悔させるのかさせないのか」

 

工場のパーティーで女の子にキスしてしまった。ちょっとした脱税をしてしまった。

そして最後に、二人の息子とはうまく付き合えなかった。

「…それだけ?」

「あぁそれだけだ。ずっと悩んでたんだ」

 

「心穏やかに」

「あぁ、穏やかなもんさ。」

「何をする気だ…」

 

ほんとに穏やか!終活って感じだ。

人や犬とのやりとりも良かったけど、芝刈りが良かったな。

日常ってかんじで。

 

タオが一緒に復讐するために訪ねてくる。

「朝鮮で何人殺したの?」「13人だ」

ジイサンはタオを地下室に閉じ込める。

「人を殺すのはどんな感じかって?あぁひどいもんさ。だが何よりひどいのは、降参したがってた敵を殺し、勇気をたたえられ、勲章をもらうことだ」

「お前はそんな重荷を背負うな。俺の手は血で汚れてる」

「お前は立派になった。誇らしい友達だ。お前の人生はこれからだ」

「俺は決着をつけなきゃならん。これは俺一人でやる」

 

ジイサンの終わってなかった戦争の決着。

仲が悪かった隣人のバーさんに犬を預ける。

どう考えても異国語でなんだって?ふざけんな!いみわかんねーーよ!と言われてる

「あぁそうか俺もアンタが好きだ」

「うちの犬もバーさんだ」

いやここで犬が階段の上にへたり込んでビックリするほど悲しい顔をするんだ。

 

神父くんはマジで警察と連携してスパイダーたちの家を見張ってたみたい。出来る子だ。

だが署から命令が来て神父くんも連れ帰られてしまった。

 

たった一人の最終決戦。手には第一騎兵師団のエンブレム。

最期のポーズはキリストですか?

 

「友達なんだ!友達なんだ!」

 

一般人はくんな!とおっぱらう警察。

しかし一人は、英語で追っ払いながら、タオたちと同じ言葉でジイサンのことを教えてくれる。

ここでこういう民族の絆?みたいなの入れてくるのがニクいですね。

血の繋がったいとこをレイプするやつもいれば、こういう警官もいる。

他の警官にはよせんか!と言われ、英語でもう下がっててくれ。と押し除ける手は優しい。 

 

タオとねーちゃんをチラッと見る神父。

見向きもしないスパイダー。

ガン見するふとっちょ。お前はなんなんだ笑

 

タオの胸ポケットには勲章がぼやける。

 

民族衣装でタクシーにのる二人と、家先に残る意地悪バーさん。

すっごいションボリした犬。ションボリした犬、悲しいのでやめてほしい。

タクシー乗る時は普通に座って二人を見てたけど、行った後は遠い目をしてだらん。と伏せってしまった。

わんちゃん!わんちゃん泣

 

場面は教会。

長男くんたちもさすがにしおらしい。

神父くんは色々悟ったらしい。彼にとってもいい友人だったみたいですね。神父推しとしては喜ばしい限りです。

ジイサンは遺言状の文面まで軽口だ。

お家は教会に寄付。注目のグラントリノは…?

「我が友、タオへ」

期待してた孫娘、がっかり。

「ただし条件がある。タコス野郎みたいにルーフを取っ払わないこと。白人の貧乏くさい田舎ものみたいに馬鹿らしい炎を…」

 

グラントリノの助手席にわんちゃんをのせて走るタオ。

 

そっと やさしく 人生は流れる

いつの間にか 遠く過ぎ去った日々

しっかりと 大地に足を踏みしめて

想いにふける

そよ風がやさしく 吹き抜ける

俺のグラン・トリノ

歌い古したメロディーのように

エンジン音に重なる苦い夢

俺のハートが宿るグラン・トリノ

孤独なリズムを刻む車

夜を通して

 

ジイサンの人生のイメソンって感じですね。

歌い古したメロディー

苦い夢

孤独なリズム…

 

タオたちが父性に飢えてるというチラ見せはあったものの

最後まで友人として大切だったのが好み

神父もすごくよかった!友人になんなくても友情は育める

そしてマーティン。寂しいだろうなマーティン。

 

it beats a lonely rhythm all night long…

って最後ずっというのがエモいですね。

孤独じゃなかったよぜんぜん

タオもねーちゃんも神父クンもマーティンも意地悪バーさんもヤムヤムもいたじゃないか

ステキな終活でした。

カッコよかったのにアツい感じじゃなくてしんみりで

手に第一騎兵師団のエンブレムを握って。

 

終わりです。リバティバランスを射った男みます。

ゼミの宿題なんです!やばいわよ。